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乳科学 マルド博士のミルク語り

熱中症と牛乳

2026年9月20日掲載

新聞やTVのニュースによれば、連日の真夏日(30℃以上)や猛暑日(35℃以上)が続いており熱中症になる方が多数いるそうです。私は雨が降っていない限り妻から頼まれた買物兼散歩で1~2時間歩いていますが、その途中多い日では4~5回救急車に遭遇します。恐らく、大半は熱中症の患者さんを運んでいるのではないかと推測しています。
昔は、放課後真っ暗になるまで部活をやっていました。夏休みともなると朝から暗くなるまで炎天下で練習していました。練習中は水を飲むことは厳禁で、どこの学校でも当たり前でした。練習中、ぶっ倒れる奴はいましたが、少し休んだら再び練習に参加していました。昔はこのような症状を日射病と呼んでいましたが、今は熱中症です。両者に違いはあるのでしょうか?AIに聞いてみたところ、熱中症は暑い場所で体調を崩すことを意味し、日射病は強い太陽の光を外で長時間浴びたことが原因で起こるものを指します。しかし、現在はそれらをひっくるめて熱中症と呼ぶそうです。

※ 以下のサイトからダウンロードすることができます。
https://www.j-milk.jp/knowledge/nutrition/berohe000000dj4r.html

熱中症を予防するためにこまめに水分補給することが重要です。では、どのような飲料が水分補給に適しているのでしょうか。水、炭水化物電解質溶液(スポーツ飲料)、ならびにミルク透過液(たんぱく質と脂肪を除いたホエイ)の飲料水分補給指数(BHI:水に比べてどれだけ水分が体内に残りやすいかを示す指数。尿量を測定します)を比較調査した論文があります(Berryら、Nutrients, 12(5): 1502, 2020)。今回はこの論文に基づいて熱中症になった場合の水分補給効率についてご紹介します。
12人の健康的な若い被験者(男女各6名、23±1歳)が一晩(8時間)絶食し、12 時間アルコールとカフェインの摂取を控え、24 時間激しい身体活動を控えました。さらに、被験者は各実験の期間中、いかなる食物も摂取しませんでした。
被験者は1リットルの水、スポーツ飲料、またはミルク透過液を摂取しました。摂取直後と60、120、180、および240分後に採尿しました。水分補給指数は、各時点における各試験飲料の累積尿量を水摂取後の累積尿量で割ることによって計算されました。 
その結果、ミルク透過液の水分補給指数はすべての時点において水(すべてp < 0.001)およびスポーツ飲料(すべてp ≤ 0.01)と比較して統計的有意に高く、スポ-ツ飲料と水の間にはどの時点においても差はありませんでした。1 リットルのミルク透過液を飲用すると、その後4時間における累積尿量が水およびスポーツ飲料と比較して減少したことから、ミルク透過液を含む飲料は、摂取後の正の体液バランスを維持する上で、水および従来のスポーツ飲料よりも優れていることが示唆されました。

また、未成年の子供を対象に水、スポーツ飲料、および脱脂乳の水分補給指数を測定した論文(Appl. Physiol. Nutr. Metab. 39: 1257–1264、2014)もあります。子供たちは34.5°C、相対湿度47.3%の条件下で運動を行い、3種類の飲料のどれかを摂取しました。平均して、子供たちは低水分状態にありましたが、運動後2時間にて脱脂乳>スポーツ飲料>水の順に水分補給指数が優れていました。
乳の摂取が熱中症に良いのは、総ミネラル含有量が高いことと浸透圧の高さに起因すると考えられます。牛乳を飲んで熱中症にならないよう注意しましょう


「乳科学 マルド博士のミルク語り」は毎月20日に更新しています。

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