乳科学 マルド博士のミルク語り

海外の「チーズの日」

2017年10月20日掲載

11月11日はご存じのとおり、「チーズの日」です。
今年も[恵比寿303]にて例年通り実施されます。チーズフェスタ2017
では、日本以外の国では「チーズの日」がいつなのでしょうか。気になったので調べてみました。以下、海外の「チーズの日」をご紹介します。なお、ネットで調べた範囲の情報ですので、必ずしも正確ではないかもしれません。その点はご了承願います。


さて、アメリカでは毎年6月4日がNational Cheese Day となっているようです。6月4日の理由は分かりません。この日に何か特別なイベントを行うということはなく、各人が好みのチーズを好きなように食べて、チーズを祝えばよいようです。National Cheese Dayは国によって実施日が異なっています。フランスにもNational Cheese Dayがありますが、6月4日ではなく、3月27日です。また、イギリスでは11月9日がNational Cheese Dayとなっています。恐らく、各国に独自の「チーズの日」があるために、National Cheese Dayに何かやるということがないのかもしれません。各国独自の「チーズの日」を表にまとめてみました。この表に示したイベントの他にも様々なチーズ祭りが行われていることと思います。


こうして表を眺めると、やはりヨーロッパでは地域毎に、その地域に昔から根ざしてきたチーズを祝うイベントが行われています。イベントの内容も独自性があり、昔から行われてきた伝統的なお祭りです。それぞれの地域で守り続けられた伝統的なチーズ作り、そうしたチーズを誇りに思い、こよなく愛し続けてきた文化があります。人々は中世の民族衣装を身にまとい、当時の苦労に想いを馳せながらチーズを愉しむのです。
これらに比べて、アメリカやオーストラリアなど新大陸のイベントは比較的あっさりしています。やはり、チーズの歴史が浅いためでしょう。ただ、アメリカではヨーロッパからの入植者がかたまって住み着いている地域にて、祖先が伝統的に受け継いできた文化を守り、独自のお祝いをしているようです。
この表から、日本のチーズを広く知ってもらうためのヒントが得られます。例えば、フランスのトゥールで行われているように、「チーズの日」を中心にチーズの味覚を評価し、文化やおいしさを体験する食育に活用するとか、中標津で行われているように地域のイベントと連動して、その地域で製造しているチーズを提供・販売して観光客にPRするとか、他にもいろいろ考えられそうです。

ちなみに、Wikipediaで”List of food days”を開くと、実に様々な食品に関する記念日が掲載されています。しかし、チーズに関する記念日は少なく、日本の11月11日は「ポッキーの日」となっています。「チーズの日」が掲載されるよう、皆さんとともにチーズを盛り立てていこうではありませんか。チーズフェスタ2017